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教員コラム 第8回
「マーケティングを取り巻く諸課題」

マーケティング論研究/マーケティング戦略 担当

経営学部 教授
佐藤 研司
   不毛の15年。バブル崩壊以降、デフレスパイラル、不良債権処理等々、日本経済を取り巻く経済環境は長い停滞局面を脱しきるにはいたっていない。 さらに、供給過多という市場構造が企業の業績回復を遅らせている大きな要因となっていることも否めない事実である。マーケティングとは、企業だけでなく、 非営利組織にあっても求められる市場創造活動である。マーケティングにおいて、企業を取り巻く経済環境は「与件」であり、与えられた条件の中でいかに 市場創造に向けた取り組みを効率よく、効果的に行うのかを考えなければならない。言い方を変えれば、「景気が悪いから売れない」のではなく「不況という 与えられた環境の中で売れる仕組みを作っていないから売れない」というのがマーケティング的発想法である。供給過多という市場構造の中で、誰もが 欲しがる商品・サービスは存在し得ない。商品それぞれにセールスポイントがあり、そのセールスポイントを求める顧客が居るからモノは売れる。誰が 顧客なのか、何がニーズなのかを探るあて、売るための方策を考えるのがマーケティングである。
 そう考えると、バブル崩壊後の不毛の15年間は何だったのか。この15年間、どのようなマーケティング戦略を構築しそれを実施してきたのか。今改めて 企業におけるマーケティングの役割と機能についての認識を新たにして欲しい。マーケティングが「単なるモノを売る仕組み」ではないことは自明のことと 思われるが、では、改めてマーケティングに求められる役割・機能はと問われて明確な答えを出せるだろうか。くわえて、個々の企業が個別の市場競争力だけで 勝ち残ることは難しくなっている。企業がそれぞれの強みを連携することで、さらに強固な競争力を持ち始めている。個別企業が行う単独の戦略構築と、 ネットワーク化された企業間における戦略構築とでは大きな隔たりがある。これまで、企業間の競争という視点で捉えられていたマーケティングを、企業間の 連携という視点で捉えなおす必要もある。市場構造の変革に対して、構築すべきマーケティングとは何か、いま求められる課題である。

 

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