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| 「意思決定を科学する」 |
経営組織論研究/組織マネジメント 担当
経営学部 教授 重本 直利 |
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現代経営学、管理論にとって重要なテーマの一つは意思決定(判断・選択)です。そこで、意思決定を中心にした
相互関係の話をすると、受講生から「意思決定は簡単だが、行動するのが難しい」という質問をよく受けます。
これに対して私は、「いかに正しく意思決定するかということが実に難しく、意思決定が正しく行われれば、
行動は簡単、意思決定の内容をただ実行に移すだけ」と答える。そうすると、「意思決定をしても行動できなくて
挫折することが多い」という質問が返ってきます。私は、「それは意思決定が間違っているからだ」と答え、
さらに「行動できないのは意気地がないからだ」と付け加えます。
情報―意思決定―行動、目的―意思決定―手段、これらの相互関係を十分把握して意思決定することは
至難の業です(なお、この内容は、H・A・サイモンの『経営行動』と『意思決定の科学』で詳しく論じられて
います)。例えば、どの大学に入学するか、どの会社に就職するか、誰と結婚するか、どこに居住するか等々の
意思決定は、人生をただ一度きりのものと考えると、実に難しいことです。特に、自分の個性、能力、性格などを
把握し、かつ周りの諸状況をふまえて意思決定を行うことは実に難しい。
有名な諺に、「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」があります。意思決定を正しく行うことは実に
時間のかかることですが、十分な情報と明確な目的と必要な手段、そして何よりも自分自身についての正しい
把握が必要です。我々は意思決定にあたっていろいろと思い悩みますが、十分時間をかけて意思決定をすれば、
後は実行するだけです。もちろん、短時間で意思決定をし常時フィードバッグをかけながら内容を修正し目的を
達成するのが一般的なことだとは思いますが、この場合でも常に意思決定をめぐる相互関係を自覚しておく
必要があります。
しかし、人生は間違いと失敗の連続です。それが人生を豊かにしまた価値あるものとします。いくら事前に
しっかりと意思決定をしても間違いと失敗は避けられません。であるなら、きちっと意思決定をしてきちっと
間違い・失敗をする。「正しく」間違うことが、その後の展開にとって重要となります。意思決定は人生を
豊かに意義あるものとするためのキーワードです。経営学は「金儲けの学問」ではありません。個々人の人生を
豊かにするための学問です。
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