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教員コラム 第10回
「顧客満足にかかわる因果関係を探る」

経営データ解析研究/情報システムU担当

経営学部 教授
寺島 和夫
   私が現在関心を持っているのは、顧客満足に関する因果関係の解明です。この顧客満足は米国のマルコム ボルドリッジ賞や日本経営品質賞で経営成果の尺度として組み込まれてきたことからも分るように、サービス 経済社会の企業経営にとっては避けて通ることができないものだといえるでしょう。
 実際、顧客満足度調査を実施し経営に役立てようとする企業は増えてきていますが、ややもすれば結果と しての顧客満足度に関心が偏りがちであるように思われます。しかしながら本当に求められるのは、顧客 満足にいたる因果関係の解明、顧客満足に基づいた経営戦略の立案、そして顧客満足を中心とした経営の 仕組みづくりなど、顧客満足を取り巻く諸問題だと考えられます。
 この問題に関する研究としては、SERVQUALに代表的されるサービス・クオリティの構成次元を解明しようと する研究や、顧客価値・顧客満足と顧客ロイヤルティとの関連性を解明しようとする研究などを挙げることが できます。しかしながら、これまでのところそれらは十分に解明されているとはいえない状況にあります。 例えば、サービス・クオリティの次元は業種や研究によるバラツキが見られますし、測定方法についても 意見が分かれています。そして、当初意図された診断ツールとしての有効性についてはあまり議論が見られ ません。また、顧客満足に関連すると考えられるサービス・クオリティや顧客価値についての統一的な定義は 成されていませんし、それらが類似の概念なのか独立した概念なのかについても必ずしも意見の一致を 見ているわけではありません。
 このように顧客満足に関してはまだまだ解明しなければならない点が多く残されているわけですが、私は 特に中小小売業の活性化という視点から顧客満足に関する因果関係の解明を進めていきたいと考えています。 といいますのは、私はこれまで主に中小小売業を対象に、その経営活動の因果関係について実証研究を行って きました。具体的には、商品分類への定量的アプローチ、小売ミックス構造の解明、情報利用意識の構造の 解明といった問題に取り組んできました。また、最近では中小小売業の活性化を支援するための仕組みの 解明とともに、顧客価値を向上させるための方策として小売活動への顧客参加という視点を提示してきました。これらの実証的研究と顧客価値向上を中心とした中小小売業活性化研究の交わるところに顧客満足研究を 位置づけることができると考えているわけです。

 

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