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| 「管理するか管理されるか、情報」 |
経営情報システム論研究/情報システムI 担当
経営学部 教授 野間 圭介 |
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商品を数える単位にいくつもの単位があります。商品分類、商品群、ロット、箱、パック、個などなどです。
商品の需要が大きく供給が少ないときには、より大きな単位で生産計画を立て販売することができました。
たとえば、1960年代の日本における自動車、テレビ、冷房機などです。作れば作るほど売れるのですから、
商品群ごとに計画生産をした時代です。今日ではそのようなことはありません。機種、性能、カラーなど個別に
管理されており、個々に生産量を決めるだけでなく同じ生産ラインで異なる機種が組み立てられ、時々刻々変換する
需要に応じて生産計画が見直されます。
・RFIDの登場
これからはどうなるのでしょうか。無線ICタグ(RFID, Radio Frequency Identification) の登場によって、
単品ごとに管理される時代が来ました。従来、ほとんどの商品にバーコード(JAN(Japanese Article Number)code) が
印刷されていますが、それとRFIDとどこが違うかと言うと、バーコードは商品(アイテム)ごとに振られたコード(番号)であり、
同じアイテムには同じコードが振られます。一方、無線ICタグでは、単品ごとに異なるコードが振られるため、たとえば同じ書物でも
1冊1冊区別できるのです。
区別できることによって、どこで、いつ、だれが生産した物かを区別できるようになります。特に期待されるのは食物の管理です。
同じ大根でもどこで、いつ、だれが生産したか、いつ肥料をやり、農薬を散布したかを知ることができると、消費者にとっては安心ですし、
もしも異常があれば責任が明確になるため、生産者も流通業者も自分の責任を果たすために努力するようになります。
このような仕組みをトレーサビリティ(Traceability, ISO9000:2000では「考慮の対象となっているものの履歴、適用又は所在を
適用できること」と定義)と言います。
このように従来とは異なった価値観で商品が管理されるようになります。単に商品の機能あるいは便益に対価を支払うのではなく、
もっとも基本となる安心、安全を保障されているか否かが判断基準となってくると言えます。
これは従来の経営の概念を大きく変えるものです。「商品を売る時代」から「商品そのものだけでなく、それに情報をくっつけて売る時代」
が来たことを表しています。
・選別される顧客
JR東日本のSuica、JR西日本のICOCA、スルッとKANSAI協議会のPiTaPa など公共交通機関のカードもRFIDの応用事例の一つです。
この仕組みは定期券や乗車券がICカードになっただけでなく、数百円単位の利用(消費購買行動)が一つ一つ記録される仕組みができた
ということです。そうすることによって利用量に応じて異なるきめ細かなサービスが可能となります。上得意様にそれなりに、そうでない方には
それなりのサービスの適用が可能と言うことです。従来、航空機のマイレージのような高額商品でしかできなかった利用料金に応じたサービスが
数百円の商品にも適用できる仕組みができあがったのです。
ここでも従来の経営の概念を大きく変えます。従来、ダイレクト・マーケティングで言われていた手法、たとえばRFM管理法を日用品、食料品など
単価の低い商品に対して適用するようになります。企業から見ると優良顧客により手厚いサービスをし、顧客囲い込みをするようになります。
消費者の立場から見ると、知らないところで、区別、選別され、サービスの格差が生まれる可能性があります。
いずれも情報の活用の巧拙が重要な位置を占めていることは明白です。必要とする情報を収集し、蓄積、分析、活用する能力が企業においても
消費者においても、今後益々求められることは間違いありません。
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