Q2:商品学の問題の答え
答えは、「酸性タイプの製品といっしょに使う(まぜる)と有害な塩素ガスが出て危険」です。もちろん、このような内容の解答であれば正解です。
なぜ、こうした表示がされるようになったかと言えば、問題の写真に使った塩素系タイプの洗浄剤に酸性系タイプの洗浄剤を同時に(混ぜて)使うと塩素ガスが発生するのです。ところが、取り扱いが簡単であるなどの理由から、この両者を風呂場などで混ぜて使った主婦が塩素ガスを吸い込んで死亡する事故が、皆さんが生まれる少し前の1987年に何件か発生しました。
このような痛ましい事故がないように、現在は「まぜるな危険」と目立つように表示しているのです。
その効果もあり、現在は、そのような事故は発生していないようですが、混ぜて使うという誤った使用方法による危険を生産者は「まぜるな危険」という表示で使用者に訴えているのです。
表示には、このような使用者への警告的な表示のほか、使用方法を説明する表示、商品を買ってもらうためにその商品の素晴らしさを強調する販売促進のための表示などがあります。技術革新の進展や生産者間競争の激化などを背景にして、ますます多様な商品が販売されています。その結果、通常の商品知識では使用者がこのような変化に対応できなくなってきています。
そして、販売の仕方も、スーパー・マーケットやコンビニエンス・ストアのような非対面方式のお店で売られることが多いこともあって、店員が正しい使い方や使う上での注意などを使用者に十分には説明できていないことが多くなっています。このようなことから、商品の表示はますます重要な商品の要素になっているのです。
また、皆さんはこの写真全体を見て、安全性に関する表示部分の多いことに気づくことでしょう。写真には載っていませんが、使用上の注意も多くは安全性に関するものです。このような商品の安全性の問題も「商品学」では取り上げます。
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