龍谷大学
龍谷大学経営学研究科ビジネス(MBA)コース集会 生産システムサロン
第24回(2006年11月18日)
第Ⅰ部 フリートーキング
海外事情
- 「地球規模の環境持続性と自動車産業」Professor&Dr.Anshuman Khare(Athabasca University,Canada)
- 報告概要:標記のテーマに関して、移動の持続性、4つの重要問題と解決策の探索、達成度、将来の目標と挑戦の報告がされた。
- 「見たままのイギリス世相雑感」原 光世氏(本学経営学部教授)
- 報告概要:イギリス会計の研究者である原教授が、サバティカル期間の最後の1ケ月間をロンドンで過ごした概要を写真も交えて話された。20年前に滞在した住まい、
8年前と様変わりの活気、今回の住まい、ワールドカップと街中の様子、イギリスの食べ物・庭と花、美しいカントリーサイド、『ローマ帝国衰亡史』の著者
E.ギボンが過ごしたマナーハウス、ロンドンの交通渋滞等である。
特別講演
- 中村泰三氏(技術士、元・シャープ(株)商品信頼性本部長)
- テーマ:戦略的開発システムと企業的発想の事例
報告概要:中村氏が入社後4年で自費により渡米しカリフォルニアに滞在したことや専門分野について、また1984年に事業部長になってから経営システムに関心をもつ
ようになったことなど自己紹介に続いて概略次のような報告がなされた。
(1)はじめに
新製品開発と開発プロジェクト・システムについての共通認識できる事項がはじめに紹介された。
(2)戦略的開発システム(S社の事例)
創造的な商品や、オンリーワンとなりうる商品を開発するためのシステムとしての「緊プロ制度」について次の事項が詳説された。
①新商品開発方針(オンリーワン商品)
②緊プロの特徴(社長直轄、戦略商品が対象、開発技術者の交流システム等)
③CE(コンカレント・エンジニアリング)の導入と緊プロとの融合④顧客満足度調査と商品開発
(3)戦略的思考法
企業には、解決すべき問題と達成すべきビジョンという2つの課題があり、後者が戦略的思考を要する。そのための発想、手順、事例が示された。
(4)俊敏なマネジメント発想
企業経営には俊敏なマネジメントが要求されている。そのための要諦として次の諸点が提案・解説された。
①少ない情報で判断する。
②事の起こる前に責任を決めておく。
③原因追求より処置を優先する(責任、処置、原因の順序)。
④顧客との距離を短縮する。T(時間)=S(距離)/V(スピード)
⑤メーカー、協力会社など多部門間のパートナーシップを重視する。
この点について最近の商品事故や事件の例を引きながら説明された。続いて次のような議論がされた。
・創造的あるいは独創的商品と既存商品との違いのレベルについて(オンリーワンが基準である。そのための方法として戦略的思考を重視する。
しかも対象を絞ることである。)
・CEに関して、企業も日本的共同社会から世界的社会へと拡大している。信頼社会から契約社会へと変化してきている。例えば協力
企業との関連では正規の契約書が必要になってきている。(S杜は優れた協力企業を育てていくことを強調しており、その視点からグローバルなSCM=サプライ
チェーンマネジメントも築けるのではないだろうか。)
・CS(顧客満足)とES(従業員満足)について(ESなくしてCSなしである。)
・信頼性監査の仕組みについて(例:FTA=故障の木解析を実施した後でなければ出荷しない)
・その他
第Ⅱ部 懇親会
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