- 教員氏名
- 廣瀬 純 教授
既存の問いに解を与えることよりも、新たな問いを作り出すことのほうが好きです。龍谷大学の学生の皆さんのうちにも、試験でいい点がなかなか取れない、問題に答えるのが苦手だという人がいるではないでしょうか。そうした人も、ひょっとしたら、問題を作ることなら、興味をもって、楽しくできるかもしれませんよ。問題を解くのは、それが得意な人たちに任せて、皆さんも、新たな問いを立て、それを社会に突きつける側に回ってみてはどうでしょう。
映画批評を主たる活動としています。「映画批評」は、一般には、映画作品について論じることだとされ、学生の皆さんにも、そう考えている人が多いかもしれません。しかし、私のやっている「映画批評」の対象は、映画作品だけには限られません。私にとって、「映画批評」とは、批評の「手法」のひとつで、「ショット」や「モンタージュ」といった映画的概念を使って、対象を分析し論じることです。したがって、文学作品や哲学作品の「映画批評」、世界情勢や社会問題の「映画批評」といったものもあり得るわけです。 映画批評と並行して「哲学的ジャーナリズム」の実践も続けています。政治や経済などに関連した世界中の様々な時事問題を「哲学的に」分析する活動です。時事問題を哲学的に掘り下げることで見えてくるのは「未来」です。どんな現在にも、未来への傾向、未来の萌芽が宿っている。未来のそうした種子あるいはつぼみを、個々の時事問題に見出そうとするのが「哲学的ジャーナリズム」です。