大学教員生活を通じて、幅広い世代の人や異なる専門領域の人々とも協働することの重要性を学びましたが、他方でひとりの時間を意識的に作って読書をしたり、街歩きをしたりする時間も大事にしています。現代は最適な情報をSNSなどを利用して、膨大な情報から合理的に取捨選択することが当たり前の時代になっています。様々なジャンルについて、迅速に広く浅く知識を増やすことも必要かもしれませんが、このような時代だからこそ、じっくりと時間をかけて他者や自己に向き合う時間を持ってみてください。
特に、本と向き合う時間を学生時代には意識して作ってください。皆さんにお勧めしたい本はたくさんありますが、経営学とは異なる分野の本もたくさん読んでほしいと思います。読書が苦手な人にもお勧めなのが、湯川秀樹『旅人』（角川ソフィア文庫）や宮本京二『無名の人生』（文春新書）。です。周りに流されない、私との向き合い方のヒントが得られると思います。